2020年12月17日
サービス残業が多すぎ!看護師の仕事を続けられる自信がなくなってきた・・・
長時間労働が続いていて看護師以外の仕事への転職を考えている・・・
ちょっと待って!
過酷な労働環境によって、体力も神経もすり減らしている方も多いと言われている看護師という職業。
深刻な人員不足を抱えていたり、それぞれ異なる患者への対応などもあることから、残業が発生しやすい業界であると言われています。なかには、「残業代を請求できると思わなかった」という認識の方も少なくないようです。
看護師が残業代を請求できるケースや請求方法等を、労働問題に詳しい橋本太地弁護士が解説いたします。
正しく評価され、安心して働ける環境だからこそ、より良いサービス、業務に集中できるのではないでしょうか。ぜひとも参考にしてください!
後編の今回はより具体的なお話をしていきたいと思います。
1.未払いの残業代を計算する方法
まずは給料明細をご覧ください。定められた勤務時間をオーバーして働いているはずなのに残業代が支払われていなかった、思ったよりも少なかったということはありませんか?
看護師などの医療関係者も、残業代受け取る正当な権利があります。きちんと受け取っていないような気がするなら、確認しましょう!
-
-
(1)実際に残業代として請求できる残業時間を確認しようまずは残業代として支払われるべき超過勤務をした時間があるかどうかを確認しておきましょう。労働環境によっては、あなた自身も「これは業務ではない」という認識だった時間もあるかもしれません。
具体的には、次のような行為を、業務上又は法律上義務付けられていたり、使用者に命じられて行う場合には、労働時間にあたる可能性があります。
-
- ・早めに出勤して、定められた始業時間までに行わなければならない準備や作業、掃除の時間
- ・定められた退勤時間より後の看護業務、事務処理や会議、ミーティング、研修、勉強会の時間
- ・勤務時間中に作業できず家に持ち帰った報告書やレポートの作成時間
- ・休憩時間中も職場から離れられない、もしくは看護対応などが求められた時間
- ・「宿・日直」として出勤したものの日勤と変わらず通常業務を行った時間
- これらの残業時間を含めて労働時間を合計してみましょう。この合計した実際の労働時間から、契約した労働時間を差し引いた時間が残業時間となります。
-
なお、法律で決められている労働時間は、以下のとおりです。
1日8時間まで- 週40時間まで
-
ので、
- 1日8時間を超えた労働時間
- 週40時間を超えた労働時間
は、どのような契約であっても残業時間となります。
-
(2)計算式は「1時間あたりの賃金(時給)×残業した時間×割増賃金率」
残業した時間は、上記で説明したとおり、「実際の労働時間の合計」―「あるべき労働時間」で単純計算できます。ここで、時間外労働をしていたが、残業代が支払われてこなかった事実が発覚した方は、未払い残業代の請求を行うことができます。
では、具体的に残業代はどのように計算するのかを知っておきましょう。
看護師の基本的な残業代の計算方法は以下のとおりです。
①もらっている1時間あたりの賃金を時給に直す。
1時間あたりの賃金(時給)=月給÷1か月あたりの平均労働時間
ここでいう月給には、賞与や結婚手当などは含まれません。住宅手当や通勤手当、家族手当などの各種手当ても、各労働者の負担に応じて金額が異なる場合は含まれませんが、一律に一定額が支給されているような場合には含まれます。
1か月あたりの平均労働時間は、(1年間の日数―年間休日数)×1日の労働時間)÷12として計算します。年間休日日数は、働かなくてよい日の日数になります。
②実際に残業した時間を、残業の内容によって振り分け、合計の時間を計算しておきます。
その1:法外残業・法内残業
その2: 深夜労働
その3:法外残業・法内残業であり、かつ深夜労働
その4:休日労働
その5:休日労働かつ深夜労働
ここで残業の内容ごとに時間を計算し直すのは、パターンごとに賃金を割増できる割合が変わるからです。
③ ①で算出した時給を基本として、ケースごとに残業代を計算していきます。計算式は以下のとおりになります。
1時間あたりの賃金(時給)×残業した時間×パターン別に設定された割増賃金率
その1:まず法外残業の部分は、1.25倍以上となります。
この場合は、法外残業(法定休日労働を除く)が1か月60時間を超えた場合は1.5倍以上となりますが、勤務先が中小事業主(資本金額3億円以下で、かつ常時使用する労働者の数が300人以下)の場合は適用されません。
次に法内残業の場合は、割増率は、就業規則に定められた割合によります。定めがなければ1倍です。
その2:1.25倍以上
その3:まず法外残業の部分は、1.25+1.25=1.5倍以上となります。
なお、法外残業(法定休日労働を除く)が1か月60時間を超えており、中小事業主にあたらない場合は、1.5+1.25=1.75倍以上となります。
次に法内残業の部分は、(就業規則に定められた割合+1.25)倍以上になります。定めがない時は1.25倍以上です。
その4:1.35倍以上
その5:1.35+1.25=1.6倍以上
たとえば、残業時間が毎日2時間程度あったとしましょう。1か月あたりの労働日数を20日程度として単純計算すれば、1か月あたりの残業時間は40~50時間にものぼります。そのすべてが、始業前出勤や純粋な残業を含めたその1に該当する法外残業で、1時間あたりの割増賃金が2000円であれば、1か月の残業代は8~10万円となります。これが1年間続けば、もらえるはずの96~120万円がもらえていない! ということになります。
以上の計算により残業代の額がわかりますが、難しくてとてもじゃないがやってられません。
そこで、私があなたのかわりに全て計算いたします。
2.看護師が残業代を請求するときに必要な証拠
計算してみた残業代がもらえていなかったことがわかったとしても、あきらめないで!
使用者に対して未払い残業代の請求を行うことは十分可能です!
勿論、請求をする場合には、「支払われるべき残業代が支払われていなかった」という事実がわかる証拠が必要となります。病院が残業代を支払ったと主張してきた場合、これらの証拠がなければ、実際に残業代の不払いがあったとしても、裁判所などでは事実関係を把握できず、支払いを命ずることはできません。せっかく未払い残業代の請求をしても、あなたが負けてしまいます。あなたがどのような条件下で雇用されていて、実際にどのように働いていたかを、裁判所に判断してもらえるようにしておく必要があります。
具体的には、以下のようなものが未払い残業代があることの証拠として扱われます。
- 雇用されたときに交わした労働契約書(雇用契約書)や書類(雇用通知書など)
- 就業規則のコピー
<実際の労働時間や労働内容が証明できる証拠>
- 勤務シフト表
- タイムカード、勤怠記録、日報
- 就業時間のメモ
- 電子カルテの記録
- 残業指示があったことがわかるメモやメール
- 業務で使用するメールの送受信履歴など
- タクシーなどを使って帰宅したときの領収書
- 日記や、親しい人への「帰るコール」などを送った履歴や記録
これらを揃えておくことで、実際に残業していたことを証明すると同時に、あなたの病院が「勝手に残っていた」などと主張できないようにできます。
ご自身で証拠を集めることが難しいときや、病院があなたの求めに応じないときは、迷わず私に相談してください。弁護士が依頼を受けたならば、未払い残業代があるという証拠となる資料を開示するよう、あなたの病院に求める手続きを行うことができます。
3.病院に残業代を請求する3つの方法について
-
- では、証拠を集めたあとはどのように請求していけばよいのでしょうか。
-
(1)直接交渉する
病院と直接交渉することが、最初のステップとなります。常識に従って損得の判断ができるのなら、弁護士が内容証明郵便を送れば、スムーズに解決することができます。ただし、相手側が未払いを認めなかったり、こちらが譲歩できないような条件を出してきたなど、話し合いができない状態であれば、直接交渉での解決は非常に困難です。
-
(2)訴訟を起こして請求する
証拠が揃ってる場合は、確実に未払いの残業代を獲得することができます。専門知識が求められ、病院も本気で争ってきますが、私が知識と経験によりあなたをサポートします。
(3)そもそも未払いの残業代があることや請求できることを知らない
-
雇われて働いていれば、労働者です。病院でも労働基準法は適用されます。
-
残業代という、労働者として当然の権利をあきらめてはいけません。
4.残業代請求にも時効がある!
ここまで説明したとおり、看護師も残業代をもらうことができますし、これまで支払われていなければ、残業代の請求を行うことができます。
ただし、請求は急いでください。
残業代請求には、時効があるからです。
残業代は2年で消えてしまいます。3年間の残業代があったとしても、請求できる残業代は2年分だけなんです。
もし、2年以上前から「残業代が支払われていない」という状態なら、残業代が時効なくなっていることになります。
そのような場合はすぐに私に相談してください!
明日からは残業代がなくなることのないようにすることはできます。
初回相談は無料です。
まとめ
初回は医療業界全体の課題となりつつある、看護師の残業代問題について詳しく解説しました。個人で対応しようとしても、組織全体の常識となっていたり、顧問弁護士などに介入されたりすることによって、交渉が難しいケースが多くあるようです。
もしあなたが看護師等の医療関係者で、未払い残業代の請求に迷われているようでしたら、是非Medical Payに相談してください。Medical Payでは、橋本太地が、あなたのみかたになれるよう、積極的な取り組みをしております。